感想「スパイダーマン ホームカミング」

「スパイダーマン ホームカミング」を借りました。

夏に劇場で見まして、実はその際に感想を書こうと思ってたんですが 面倒で先延ばしにしていたのでこの機会に。

今回のスパイダーマン、今までのシリーズと最も違う点はマーベルコミックの 歴戦のヒーローとのクロスオーバー作品として扱われていることで これまでの実写シリーズと違って作中にアイアンマンやアベンジャーズの一味が出てきます。

クモに噛まれてスーパーパワーを手に入れたが調子に乗って叔父さんを 亡くしてしまうあらすじは作中ではさらっと説明されるのみとなっており、 おなじみのスーツも保護者のような役回りのアイアンマン、トニー・スタークに 作ってもらったという設定で今までにないハイテク武装のスパイダーマンを拝めます。

以下、感想（ネタバレ注意）

主演のトム・ホランドがとてもよかったです。 シリーズがリニューアルされるのは２回目で、ハリウッドの実写スパイダーマンで ピーター・パーカーを演じる俳優さんはこれで３人目なわけですが、 旧トリロジーのトビー・マグワイア、アメイジングのアンドリュー・ガーフィールドの どちらとも違うピーターの魅力を引き出していると思います。 （個人的にはトビーが一番好きですが）

今回のピーターは（童顔も相まって）比較的幼いイメージで、 やや自分の実力を過信してしまったりとまだ若く、未熟なヒーローとして描かれています。 そんな彼の成長する姿も見どころの一つかな～と思います。

自分は「アイアンマン」はあまり好きになれなかったクチで １、２を見たんですがほぼ内容を覚えておらず、という有様だったので 作中にアイアンマンが出ると聞いて正直不安でした。

しかし有難いことに杞憂に終わり、 必要以上にでしゃばってスパイディを喰うということは全くありませんでした。 ここは非常に嬉しかったです。良いバランスだと思いました。

スパイダーマンシリーズの目玉であろうウェブアクションも健在で わりと色んなシチュエーションで戦闘シーンを楽しむことができます。 ただ摩天楼を飛び回るシーンが特になかったのはちょっと残念かな～（

とはいえ、個人的にずっと見てみたかった飛行中の飛行機にはりついて戦闘、 というシチュエーションを拝めたので非常に満足しています。

新生・スパイダーマンについてですが とにかく沢山武装を積んだハイテクスパイダーマンという画は非常に新鮮で、 クモ型ドローンで偵察したり盗聴したりＡＩと会話したりと 今までにないスタイルのスパイダーマンが面白くてよかったです。

とはいえぶっちゃけ途中までは、なーんかスパイダーマンなのに 戦闘中ずっとAIと会話してたり戦闘のアドバイスをもらいまくってたり イマイチ孤高のヒーロー感が薄いの～なんて感じていました。

それがラストのヴァルチャーとの戦闘シーンで手のひらクルクルというか それまでイマイチ１人で頑張る！という印象を感じなかった分ギャップで とてつもなく彼をカッコイイと感じまして、劇場で感動してました（

個人的にはスパイダーマンの一番の魅力は孤独な点、だと思っていて もともと普通の青年であるピーターはスーパーヒーローとしての自分と 本来の自分の線引きに葛藤する姿が印象的な等身大のヒーローなのです。

とりわけ旧シリーズの「２」は散々自分の人生を生きられないことに悩み ベンおじさんに対する贖罪の気持ち、好きな人に本当の事を言えないもどかしさの中で もがいてもがいて・・・というストーリー。

自分の人生を大事にしたい、と考えていたのに最終的にはヒーローとしての 運命から逃れられずそれに向き合う姿が非常にかっこいいと思います(

今作は全体的に雰囲気が明るく、あんまり前２作のように葛藤しまくる主人公としての ピーターは描かれていません。これはこれで良いな～と思いながら見ていたんですが まさかのヴァルチャーの正体と彼に選択を迫られた際のピーターの出した答え。

うーん、見てよかったなぁと思いました。別にこれがなくてもエンタメとして 面白い映画だよなぁとは思うんですが自分の思うスパイダーマンの象徴というか ヒーローと自分（プライベート）を天秤にかける姿は紛れもないピーター・パーカーで ああ、間違いなくスパイダーマンの映画だと一人熱くなっていました。

また、結局ヴァルチャーを追いかけたピーターが大ピンチに陥り なりふり構わず助けを求めるシーンがとても好きです。 普通の人間としての側面もしっかり持っていて、だけど恐ろしくても 自分を奮い立たせて誰の力も借りず苦境から脱出するという！ あ＾～　ええもん見た＾～

あのシーン確か原作でもどっかにありましたよね。なんとなく見た覚えがあるような。

というわけで、この映画がどのくらい世間一般にウケているのかは知りませんが スパイダーマンの大ファンである自分は楽しめました。 うーん、これは今度のアベンジャーズも見に行かねばならんなあ(　＾ω＾)

(2017-12-24)